ロイヤルコペンハーゲンデンマーク製とタイ製の違いは?バックスタンプから見分け方まで幅広く調査!

ロイヤルコペンハーゲンは1775年にデンマークで創業された歴史ある陶磁器メーカーとして世界中で愛されています。しかし近年、製造拠点がデンマークからタイへと移行し、それに伴い製品の特徴や価値に違いが生じていることをご存知でしょうか。本記事では、ロイヤルコペンハーゲンのデンマーク製とタイ製の違いや見分け方、バックスタンプの読み方から偽物の判別方法まで、コレクターにとって重要な情報を徹底解説します。

ロイヤルコペンハーゲンデンマーク製とタイ製の違いの基礎知識

ロイヤルコペンハーゲンはデンマークの誇る陶磁器ブランドですが、製造国の変遷によって製品特性にも違いが生まれています。ここではその基本的な違いについて解説します。

ロイヤルコペンハーゲンの歴史と生産拠点の変遷

ロイヤルコペンハーゲンは、1775年にクリスチャン7世国王とユリアナ・マリア王太后の援助によって「ロイヤルコペンハーゲン」王室御用達窯として創業されました。当初は「王立デンマーク磁器製陶所」として始まり、1868年に王室はロイヤルの称号を残すことを条件に民間企業となりました。その後、長らくデンマークで製造されてきましたが、2004年に大きな転機を迎えることになります。

ロイヤルコペンハーゲンバックスタンプ一覧と見方

ロイヤルコペンハーゲン製品の裏側には、王冠と三本の波線からなるバックスタンプが施されています。三本の波線はデンマークを流れる3つの主要水路を表し、王冠の刻印は工房がデンマーク王室と関係があることを示しています。バックスタンプは時代によって変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。

1935年から1949年のバックスタンプは「ROYAL COPENHAGEN」の文字の上に棒線が入り、1950年から1984年は下に棒線が入っています。1985年以降は2文字の外側に棒線が配置されています。これらの特徴を知ることで、製品がいつ作られたのかを判断することができます。

ロイヤルコペンハーゲンタイ工場の設立背景

ロイヤルコペンハーゲンは2004年から現在までタイで製造されています。この製造拠点の移転は、グローバル化による生産コスト削減の流れの中で行われました。タイ工場設立後も、ロイヤルコペンハーゲンのブランドイメージと品質を維持するために、ペインターはコペンハーゲンで教育されるなど、技術の継承に努めています。しかし、この変化によって製品の特性や価値に違いが生じることになりました。

デンマーク製とタイ製の品質差はあるのか

デンマーク製とタイ製の品質差については様々な意見があります。実際に両者を比較すると、タイ製はペイントが「固い感じ」という印象を持つ人もいますが、それほど大きな違いを感じない人もいます。ただし、大きな製品や現代的な形状の製品では違いがより明確に感じられるという声もあります。

品質そのものというよりも、デンマーク人の店員は「タイでもペインターはコペンハーゲンで教育されているので大丈夫です」と説明しているものの、コペンハーゲンで生産されていないことに対して「王室御用達の誇りを手放した」という感想を持つコレクターもいます。こうした歴史的背景への思い入れが、品質の捉え方に影響していることも否めません。

ロイヤルコペンハーゲン製造国の見分け方

デンマーク製かタイ製かを見分けるもっとも簡単な方法は、バックスタンプを確認することです。裏のバックプリントの波線の上に「DANMARK」と入っていれば、それはデンマークで作られた製品です。一方、この表記がなければ、近年の製品の場合はタイ製である可能性が高いです。

ただし、古い時代のものについては、デンマークで作られていても「DENMARK」という文字が入っていない場合もあるため注意が必要です。このため、年代の判定と合わせて製造国を確認することが重要になります。

バックスタンプから年代を特定する方法

バックスタンプは年代を特定する上で非常に重要な情報源です。1935年以降のロイヤルコペンハーゲン製品には、年代を特定できる印(線)が付けられています。この印の位置によって、いつ製造されたものか判断することができます。

1935年から1949年のものは「ROYAL COPENHAGEN」の文字の上に棒線があり、1950年から1984年のものは下に棒線があります。1985年以降は2文字の外側に棒線が配置されています。例えば、「ROYAL」の「R」と「L」の上に棒線があれば、2005年から2009年に製造されたもの、「R」と「C」の上に棒線があれば2010年以降に製造されたものとわかります。

ただし、棒線が薄くなって点のようになっていたり、完全に消えてしまっていたりすることもあるため、判断が難しい場合はロイヤルコペンハーゲンに直接問い合わせるという方法もあります。

ロイヤルコペンハーゲンデンマーク製とタイ製の詳細比較

デンマーク製とタイ製の違いをより詳しく理解するため、偽物の見分け方やB級品の特徴、価格差などについて掘り下げていきます。

ロイヤルコペンハーゲン偽物の見分け方と注意点

ロイヤルコペンハーゲンの偽物を見分けるポイントはいくつかあります。デンマーク国内では、ロイヤルコペンハーゲンの偽物はほぼないといわれています。デンマークの小さな国でこのような高品質の製品を偽造できるなら、別のブランドを作る方が合理的だからです。

しかし、イヤープレートなどの希少価値の高い製品については、近年デンマーク以外の国で偽物が作られることがあるため注意が必要です。偽物を見分ける際は、バックスタンプの正確さ、波マークの均一性、文字の崩れなどをチェックしましょう。

また、信頼できる販売店から購入することが最も確実な方法です。製品の詳細画像や説明をよく確認し、必要に応じてロイヤルコペンハーゲンのサポートに問い合わせたり、専門家による鑑定を受けることも推奨されています。

ロイヤルコペンハーゲンB級品とは何か

ロイヤルコペンハーゲンには、一級品とB級品(セカンド品)があります。セカンド品とは、製造過程で小さな欠陥が生じた製品を指します。これらの製品は一級品と比較して品質が若干劣るものの、依然として高品質であり、お得な選択肢となっています。

B級品の特徴として、製品の裏側にあるバックスタンプに小さな傷(スクラッチ)が意図的につけられていることがあります。この傷は非常に薄く、光にかざしてようやく見える程度のものが多いため、見た目にはほとんど影響がありません。

B級品は質は同じでよく見ないとわからないような程度のものばかりなので、大きく変わることはありません。定価より少し安価な値段で手に入れられる面では非常にお得といえるでしょう。

デンマーク製とタイ製の価格差と価値

デンマーク製とタイ製には価格差があります。中古市場では、2004年以前の古いモデル(デンマーク製)の方が高く売れる可能性があります。これは、デンマーク製の旧モデルの方が人気が高いためです。

実際の市場評価として、どちらが良いかと問われれば、デンマーク製という意見が多いようです。しかし、現行のシンプルで現代的な形状は使いやすいという実用面での評価もあります。

コレクターやファンの間では、「コペンハーゲン本店に行ってもデンマーク製の陶器が買えないなら、次からは蚤の市狙いしかない」と考える人もいるほど、デンマーク製への思い入れが強い場合もあります。価値観によって評価は分かれますが、歴史的価値や希少性の観点からはデンマーク製に優位性があるといえるでしょう。

ロイヤルコペンハーゲン廃盤シリーズの特徴と価値

ロイヤルコペンハーゲンには多くの廃盤となったシリーズがあり、コレクターから高い人気を誇っています。ゴールデンサマー、シーガルゴールド、ジュリアス、ジョセフィーヌ、トリトンホワイト、ブルーフェザント、マグノリアブルーなど多数の廃盤シリーズがあります。

これらの廃盤モデルは市場に流通している枚数しかなく、見つけることが非常に困難です。例えば、日本向けに考案された「ジャパニーズギフト」シリーズの急須、湯呑、リーフディッシュなどは一部廃盤になっており、プレートやカップに直線的で角があるブルーフラワーの「アンギュラー」は2002年に廃盤になっています。

廃盤シリーズは流通量が限られているため、高値で取引される傾向にあります。特に保存状態が良く、箱や説明書などの付属品が揃っているものはさらに価値が上がります。コレクターにとっては、こうした廃盤シリーズを見つけることが醍醐味となっています。

購入時のチェックポイントとコレクションの楽しみ方

ロイヤルコペンハーゲンを購入する際は、いくつかのポイントをチェックすることが重要です。まず、購入時の箱や説明書などの付属品は揃えておきましょう。できる限り購入時に近い状態の方が次の買い手が現れやすく、高価買取の可能性が上がります。

また、製品のコンディションも重要です。特に高価な製品を購入する際には、傷や汚れがないかを確認しましょう。ペイントのずれやにじみがある場合は、品質に問題がある可能性があります。

コレクションの楽しみ方としては、シリーズやテーマごとに集めたり、年代ごとに集めたりする方法があります。バックスタンプや職人のサイン、特別なマークなど、多くの情報を読み解くことで、製造背景や歴史、価値を知ることができ、コレクションの楽しみが一層広がるでしょう。

ロイヤルコペンハーゲンデンマーク製とタイ製の違いについてのまとめ

今回はロイヤルコペンハーゲンデンマーク製とタイ製の違いについてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。

・ロイヤルコペンハーゲンは2004年以降、製造拠点がデンマークからタイに移行した

・バックスタンプに「DANMARK」の表記があればデンマーク製と判断できる

・タイ製はペイントが若干固い印象があるが、小さな製品では違いを感じにくい

・バックスタンプの棒線の位置で製造年代を特定できる重要な手がかり

・1935〜1949年は文字の上に棒線、1950〜1984年は下に棒線がつく

・1985年以降は2文字の外側に棒線が配置される特徴がある

・B級品はバックスタンプに小さな傷(スクラッチ)が入っている

・デンマーク製は歴史的価値や希少性から中古市場で高値で取引される傾向

・ゴールデンサマーやブルーフェザントなど多数の人気廃盤シリーズが存在する

・購入時は箱や説明書などの付属品も一緒に保管するのが望ましい

・偽物は主にデンマーク国外で作られることがあり、バックスタンプの正確さなどで判断

・王冠と三本の波線はロイヤルコペンハーゲンのトレードマーク

・手書きの製品は職人の技術と時間をかけて作られた証

・コレクションでは付属品を揃えることで価値が上がる

・購入は信頼できる販売店から行うのが最も安全な方法

ロイヤルコペンハーゲンのコレクションを始める際は、こうした知識を持つことでより深く楽しめるでしょう。デンマーク製とタイ製、それぞれに魅力がありますので、用途や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。長い歴史を持つブランドだからこそ、時代ごとの特徴を知ることで、より一層ロイヤルコペンハーゲンの魅力を味わうことができます。

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